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間もなく登場、Windows 10 Anniversary Updateの新機能 - 阿久津良和のWindows Weekly Report
2016年07月12日 11:31あと1カ月も経たずに2回目の大型アップデートとなるWindows 10 Anniversary Updateが登場する。しかしまだ、Insider Previewのリリースが一段落した訳でもなく、いつ仕様変更が加わるかわからない。
例えば6月28日 (米国時間) に公開したWindows 10 Insider Preview ビルド14376では、Anniversary Updateで実装する予定だった「Messaging everywhere」を取り除くと発表した。Messaging everywhereはWindows 10搭載PCもしくはWindows 10 Mobileデバイス上の「メッセージング」で受信したメッセージを同期するというものだが、Microsoftは「Skypeを使った方が優れた体験を提供できる」と説明し、リリースを見送っている。
このような状況ではあるが、本稿では今回はこちらの公式ブログをベースに、Anniversary Updateで変わる概要をかいつまんで紹介したい。
まず、企業ユーザーにとって大きいのはセキュリティ対策の強化だ。Windows Server 2016やWindows 10 EnterpriseおよびEducationは新たに「Virtualization Based Security (仮想化ベースのセキュリティ)」をサポートする。Hyper-Vを利用してWindows 10の環境を分離するというものだ。
この機能は、「Virtual Secure Mode (仮想セキュアモード)」という名称でこれまでも組み込まれていたため、Device GuardやCredential Guardなどの各機能が容易に使えるようになると捉える方が正しい。個人的にはWindows 10リリース直後に読んだ資料でVSMに強く期待を持ったのだが、HomeやProエディションでは恩恵を受けられない。
コンシューマー向けのセキュリティ機能としては、生体認証フレームワークを用いたWindows Helloの存在が大きい。ようやくMicrosoft Edgeも対応し、Webサイトのユーザー認証に用いることが可能になる。Microsoft Passportほど複雑ではないものの、Web通販の決済時や、会社のファイルサーバーにアクセスする際などにも有用だろう。また、Windows Defenderには自動スキャンの結果を通知する機能が新たに加わる。
Windows Ink機能もAnniversary Updateの注目ポイントだ。Microsoftは「スクリーンショットやスケッチ機能で迅速なメモを作成できる」「フライト時間などをメモする付箋紙」とアピールしているが、デジタルペンで書き込むよりもキーボードを叩いた方が早い筆者が、Windows Inkの各機能を使う場面は今のところ皆無だ。
Cortanaはサーバーベースで動作しているため、「Anniversary Updateだから変わる」というものはない。だが、Insider Previewの改善を踏まえると、ロック画面からの応答や楽曲再生、車を駐車した場所の記憶、対応デバイス間で不在着信やメッセージなどの通知を受け取れる。前述したMessaging everywhereと関連するのか確認できていないが、パーソナルアシスタントを目指す方向性はまちがっていないはずだ。
Microsoft Edgeに関しては前々回にて述べたので割愛するが、MicrosoftはXboxとPCのゲーム体験を向上させようと躍起である。その一つがE3で発表された「Xbox Play Anywhere」プログラムだ。Xbox OneとWindows 10 PCでクロスバイ (双方で起動可能)、クロスプレイ (双方でプレイ可能) を実現し、今後Microsoft Studioがリリースするタイトルはすべて対応する。具体的には2016年9月15日リリース予定の「ReCore」が初対応タイトルとなるが、結果はフタを開けてみないとわからない。
このように期待が持てそうなWindows 10 Anniversary Updateだが、Windows 10 Insider PreviewをFastリングで使っていると、まだまだ不安定な部分が各所に残る。直近のビルドでは、特にMicrosoft Edgeが不安定だ。その他の気になる箇所についても、フィードバックを送ってきたが、Voteが足りないのか改善されず、このまま一区切りを迎えることに不安を覚える。
Anniversary Updateリリース以降もWindows Insider Programは続き、2017年春頃のリリースが噂されている「Redstone 2(開発コード名)」につながっていく。Windows 10が積極的に新機能を取り込むのは歓迎するが、さらなる安定性強化も期待したい。
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