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Windows 10の無償アップグレードが2017年12月31日で完全終了

2017年12月11日 18:27

Windows 7およびWindows 8.1から、Windows 10への無償アップグレードが2017年中に完全終了する。Microsoftはファーストバージョンをリリースした2015年7月29日から無償アップグレードプログラムを提供した。一時期は頻繁に表示される通知が問題視されたものの、当初の予定どおり1年後の2016年7月29日に終了した。

Windows 10の一般提供開始に合わせて日本マイクロソフトは都内で「提供開始記念ファンイベント」を開催していた

煩雑なアップグレード通知を問題視する声に応え、2016年4月には通知ダイアログのUIを変更した

だが、その後も障がい者向け支援の一環としてMicrosoftは、無償アップグレードプログラムを提供し続けていたが、先ほどFAQを更新し、2017年12月31日で同プログラムを終了することを明らかにした。同プログラムは支援技術を制限せず、"アクセシビリティ機能を利用するWindows 7/8.1ユーザー"が対象と明言しつつも、チェック機構が存在ぜずに利用しようすれば誰でも利用できるため、無償アップグレードプログラムを延長したという見方もあった。

英語版のページには、「2017年12月31日」と終了日に言及している

執筆時点での日本語版ページは、未更新だった

Microsoftが今回の決断に至った遠因は、Windows 10の法人導入状況が好調ということにある。日本マイクロソフトはグローバルの数値として、2017年6月時点で「約3分の2の組織が1年以内にWindows 10への移行完了を予定」「85%の大企業が2017年末までにWindows 10の展開をスタート」すると説明していた。当初10億台を目標としていたWindows 10の稼働台数も「5億台以上」と、道半ばながらも増加を見せている。

他方でWindows 10、Office 365、EMS(Enterprise Mobility+Security)を統合した「Microsoft 365」もWindows 10の普及を加速させる鍵となるだろう。日本マイクロソフトによれば、日経225銘柄企業の80%がMicrosoft AzureやOffice 365による"Microsoft Cloud"を利用しているが、PC環境はWindows 7のままというケースは少なくない。Microsoftは好調なOffice 365を軸にWindows 10のシェア拡大も目指している。

さらに日本市場では、2020年1月14日で延長サポート終了を迎えるWindows 7の乗り換え需要も大きい。日本マイクロソフトは時事通信社および地方行財政調査会による調査結果を引用し、47都道府県の半数はサポート期間を認識しており、現在移行中もしくは移行計画を決定しているという。

Windows XPサポート終了時の乗り換え需要を振り返るまでもなく、サポート終了を控えたWindows 7からWindows 10へ移行するPC台数は相当数に及ぶだろう。仮に1億台程度と仮定しても、先の「5億台以上」という数値をさらに増加させることになる。

これらの状況からMicrosoftは、障がい者向け支援無償アップグレードプログラムを終了すると筆者は推測する。同プログラムの条件を満たす方がいらっしゃる場合は、無償でWindows 10へ移行する最後のチャンスとなるだろう。

 

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